ゴダール『選ばれた瞬間』 - 演劇ユニットG.com

ゴダール『選ばれた瞬間』

岡田

映画史特別編「選ばれた瞬間」
LES MOMENTS CHOISIS DES HISTOIRE(S) DU CINEMA
監督・編集:ジャン=リュック・ゴダール
2005年・フランス映画・80分(BOW公開2006年)
ゴダールが1988年から1998年にかけて完成した5時間の大作「映画史」(全8章)はデジタルビデオ作品であるため、劇場上映されたのは日本だけで、それも限られた機会だけだった。「選ばれた瞬間」は1時間20分の劇場公開用作品として35ミリフィルムで完成した最新作。ゴダール自身の新たな編集で、新たな意味をになった「選ばれた瞬間」が流麗な美しさで展開する。

そんな映画です。つまりダイジェスト版。全8章の『ゴダール 映画史』は、やはり、ちと長すぎるんですね。映画って、やっぱり90分前後がベスト。そういう意味でも、この『選ばれた瞬間』のほうが完成品って感じがします。
まあ、もともと、再編集したダイジェスト版なんで、紹介用?って感じもしたんです。でも、実は、その過程、つまり5時間で作ったものを、80分に短縮するその過程に、映画が映画として存在するようになる、ある「瞬間」のようなものが鏤められたんじゃあないかな。

『ゴダール映画史』は、確か、テレビ局の依頼で作った、一章が40分前後の作品が8本。随分期待して見たんですけれど、ゴダールにしてはタルイ感じがしたんです。まあ、実際10年かかってるわけだしね。でも、やっぱり作品としては、どうかなあ?って、ずっと思ってました。でも、数年前に、確か、東京日仏学院で見た『選ばれた瞬間』は、別物のような感じを受けました。「ああ、これこれ、これがゴダールだよなあ。」って感じ。

それで、今回、また数年ぶりに見て、『映画史』と『選ばれた瞬間』の何が違うんだろう? なんて思って。そうか、短縮する事、つまり「単純化」の過程が、そこに、何か不思議な、「芸術の瞬間」を与えたんじゃあないかなあ。ああ、でもやっぱり、淀川長治さんの「ゴダールとなると駆けつけるのは、澄みきっている映画を見せるからである。ゴダール以外、つくれぬ映画。」と言う言葉は、その通りです。

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siranakatta