ストローブ=ユイレ『セザンヌ』 - 演劇ユニットG.com

ストローブ=ユイレ『セザンヌ』

撮影監督、アンリ・アルカン、『ローマの休日』です。
岡田です。

『セザンヌ』
Cezanne
1989年(51分)
撮影/アンリ・アルカン
詩人ジョアシャン・ガスケの著作「セザンヌ」に含まれるセザンヌの発言の朗読に重ねて、セザンヌゆかりの土地やセザンヌの絵が映し出される。ジャン・ルノワール監督の『ボヴァリー夫人』の抜粋と共に『エンペドクレスの死』からの二つの抜粋の挿入もある。

こんな映画です。ドキュメントと言う感じの解説ですが、これもただ撮ってるだけで、忠実にガスケのセザンヌが朗読される。なんじゃこりゃって映画。

といいつつも、4回目位かな。見るの。
冒頭、セザンヌの故郷、エクスアンプロバンスの町の光景が写されて、移動して行って、、セザンヌが何度も描いたサントヴィクトワール山を捉える。なんか大らかと言うか、温かいというか、なにか余裕な物を感じたんです。カメラの動き、捉える光、単なる岩山としてのサントヴィクトワールではなく、何かを大きく秘めている、その力のような感じかなあ。ちょうど『黒い罪』の後の上映で、ルプシャンスキーの厳密なカメラの後だったからかなあとも思いつつ。

見終わってから、なんか気になってね。アンリ・アルカン、調べてみました。有名な撮影監督ってことぐらいは知ってたんですけれど、それ以上はあまり知りませんでした。
実は、ウイリアム・ワイラーの『ローマの休日』は、アンリ・アルカンなんですね。その他有名どころだと、コクトーの『美女と野獣』、ヴェンダース『パリ・テキサス』とか、三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンが出演の『レッド・サン』とかもアンリ・アルカン。結構、ばりばりのハリウッドから、芸術映画まで幅広いんですね。こんど見に行こうと思ってるイスラエルのアモス・ギタイとも仕事してたり。

なるほどなあって感じがしました。前回のブログで「娯楽」について、ちょっと書きましたが、もちろん単に面白ければいいという訳ではありません。おそらく娯楽は、それもありだよって言う精神的な余裕と言うか、大きさに支えられて初めて見世物としての効果を発揮する。その時、創造する側に絶対に必要とされるものは何なんだろう? 一つには、その表現の分野に対する幅広い知識・経験、そして歴史認識なんだろうなあ。なんて事をまさしく、それはハッキリ、なんか感じました。