美について - 演劇ユニットG.com

美について

プラトン『パイドロス』
岡田。

まあほんとに、「休日」、「休めるぜ」って言うと、喉が痛くなります。体が休めって信号なんかなあ。そんでもって黄金週間、抗生物質のんでじっとしとりました。とは言え、働きもんの蕎麦屋は開店中なんで、夜は蕎麦屋でお仕事。でも5日は一日休日。

久しぶりに、朝っぱらから新宿御苑でした。おおきなプラタナスの木があります。

 

御苑 全体.jpg新宿門入って左手のとこかな。御苑って例のビスタとか言う遠近法の西洋式庭園とプラタナスの並木とかが有名です。
でも、ちょっと端っこなんだけど。一本だけ、樹齢100年。でっかい樹。

ソクラテス「おおこれはヘラの女神の名に懸けて、このいこいの場所のなんと美しいことよ! プラタナスはこんなにもうっそうと枝を広げて亭亭とそびえ......」(パイドロス 230B)

 

御苑 枝.jpgてね。プラトンの対話編って、大体が街中でのお話なんだけど、『パイドロス』だけは郊外の川沿いでの対話なんだよね。美少年パイドロスと、ソクラテスの対話です。

美についてというか、恋、エロースについて。愛が無くてもセックスってどうよ? みたいな所から話はじまる。
そんでもって何でか、弁証法、ディアレクティケ。ディアロゴスのテクネ。dia=対、弁。logos=言葉。ディアロゴスで「対話」。まあ、
テクネ=技術、方法。で通常は弁証法なんだけど、ディアロゴスって、英語のdialogueで台詞にもなるから、台詞の技術にもなる。

小林秀雄の『本居宣長』新潮文庫所収の「本居宣長 補記」も『パイドロス』から始まるんだな。言葉に関してのことだからそうなるんだけど。それはやっぱエロスが始まりだぜ。小林秀雄、そこんとこ微妙に避けてる気もするけど。

なーんて、朝っぱら巨大な樹を見てて。「多様に散らばっているものを綜観して、ただ一つの本質的な相へとまとめる」( 265D)って、大樹ってそんなんかなあ。みたいな。ディアレクティケ、言葉の本質みたいな。美も、そうかな。


でも、良い事書いてる。「美の本体へと立ち返り、それが<<節制>>とともに清らかな台座に立っているのを、目の当たりに見る。」
(254B)。

「節制」ですわなあ。美とかエロスとか、節制がなければ、地獄のありさま。かなあ。

『パイドロス』藤沢令夫訳 岩波文庫