調和の幻想 - 演劇ユニットG.com

調和の幻想

月は何で落ちてこないの?
岡田

現在、『闘争か、逃走か。』稽古中。
隕石が落ちてきます。
「何で?」
「重力。」
「でもお......だったら何で、月は落ちてこないの?」

答えは「万有引力」。

こういう会話は、お芝居には出てきません。が、稽古を見ていて思った。ただ、お芝居の中で隕石は落ちてきますけどね。

ニュートンの大きなお仕事は、宇宙は調和によって成立している事を「万有引力」として提示した事にあるんだろうな。

地球に落ちてくる月と、月に落ちて行く地球の加速度がプラス・マイナス零になっていると言う事が数学的に証明された時、実は宇宙全体が数学的に調和の取れた世界だと言う端緒が垣間見られたんだと思う。
まあ、人間はそう理想的にはできていない。絶えず戦い、傷つけあい、まさしく「闘争」して生きている。
「万有引力」の調和を破って落ちてくる隕石のように、調和を壊して生きて行くのが人間。
でも、世界の調和が壊れれば壊れるほど、調和への欲求が生まれてくる。まして、真の調和とは、目を覆いたくなるような破壊の後にしか訪れないのかもしれない。

中途半端な調和ほど、大きな破壊と悲劇を導いていく。

全人類が死に絶えたとしたって、世界も宇宙も微動だにはしないだろうな。世界はそんなに小さな物じゃない。人は大きな存在ではないけど、ちいさいと言うことにきちんと行き着いた時に、もっと何か大きな世界に通じるんだと思う。

謙虚に、一歩一歩。簡単なようで、実は難しいのかなあ。