女と言うものは、 - 演劇ユニットG.com

女と言うものは、

やさしく、柔和で、親切な、
岡田です。

『ヘンリー6世 第三部 薔薇戦争』、敵方に捕えられ、しばられたヨーク伯に対して、王妃マーガレットは血染めのハンカチを出して、こう言う、
「さあ、そのハンカチで涙を拭うがいい。その血は、お前が最も可愛がっていた末息子を刺し殺した剣を拭ったハンカチ。自分の最愛の息子の血で汚れたハンカチでお前の涙を拭うがいい」

まあ、恐ろしい女。でも、あの芝居では一番生き生きしている。古来、女を書けた劇作家は、エウリピデス、シェークスピア。
エウリピデスの『メディア』も夫イアソンが、自分を捨てて新しい女に走ったために、相手の女はもちろん、その父親まで毒殺。それでも怒りは収まらず、イアソンへの復讐のため、自分とイアソンの間の、まだ小さい二人の息子を殺害。駆けつけたイアソンの前に、血まみれの子供の死体を両腕に持って現れる。
まあ、女を書くと言うことは、その凄まじさを書くと言うことなんだろうな。マクベス夫人にしても、父親であるリア王を苛め抜くゴネリルとリーガンの姉妹にしても、まあ凄まじい。
多分、人間としてはとっても優しかっただろうチェーホフも『三人姉妹』のなかで、結果的に三人姉妹を追い出し、家に君臨するナターシャという女をきちんと書いている。

もちろんのこと、女が全てそうだとは言わないけれど、演劇が好む女と言うのは、そういうものなんだろうな。

ヨーク伯「女と言うものは、やさしく、柔和で、親切なものであるのに、お前と言う女は。」
王妃マーガレット「さあ、その首を刎ね、ヨーク市の城門に晒すのです。」

おっかねえ。