グッと来る話 - 演劇ユニットG.com

グッと来る話

広島・長崎の二つの市が、共同で2020年五輪招致に乗り出すと発表した。久しぶりにグッと来る話だ。

 

グッと来るというのは、単に「いい話だ、賛成です」という意味ではない。広がりがある。はらんでいる可能性がデカイ。イケる。思わず膝叩く納得感。グッド、グッド。その話、ちょっとこっちにいただき。これらもろもろの感情を、総合的に「グッと来る」という言葉で表現してみました。

 

その「グッと来る」感じは、2016年東京五輪とちょうど対照的。結局最後までグッと来なかったもんね~、東京五輪。日本人ですら、東京都民ですらグッと来ていなかったのに、外国人たちを納得させられるはずがなかった。「南米で初の五輪を!!」。日本人ですらグッと来るこのフレーズ。「そりゃそうだよなあ、俺もリオに一票だ」なんて。

 

それが。「被爆都市で五輪を!」。ああ、何てグッと来るのだろう。遂にそんな時代になったか。いや、まだなっていないけど。ヒロシマ、ナガサキの名前は、言うまでもなく世界的に有名だ。しかし、そこで何が起きたかの知識は、国によってかなり差がある。例えばアメリカ人はほとんど知らない。国の歴史の恥部、核兵器を国防の要とする国策に反することだから、ろくに教育してこなかった。数年前には、その歴史を明らかにしようとしたスミソニアン博物館の展示の試みが、反対世論により覆された。

 

しかしオバマ大統領は核廃絶を目指すべきだとの意思を表明。もちろん先は長いけど、核に対する考え方は、変化のときを迎えている。

 

だから、いま広島、長崎両市が五輪招致を目指すというニュースは世界的なインパクトを持つ可能性がある。今すぐにではなくても、徐々にインパクトが大きくなる。そして、もし2020年の五輪が両市で開かれることになるとしたら、それは世界の世論が核廃絶に向けて大きな一歩を踏み出したことを意味する。

 

問題は無数にあり、招致への道のりは簡単ではないが、意義ある挑戦だ。世界を変える可能性がある。こんなに大きなビジョン、世界的に意味のある提案が日本から発信されることはまれである。いや、まじで。

コメントする