2009年7月アーカイブ: 演劇ユニットG.com

Free at last

G.comとは関係なく戯曲の読書会をやっているのですが、そこに70歳代のもと新劇少女がいらっしゃる。先日、マキノノゾミさんの『東京原子核クラブ』を取り上げ、なかなかに読み応えがあって素晴らしかったけれど、その方がこんなことをおっしゃった。「マキノさんの戦前の生活の描き方には時代感覚のずれを感じる。戦前の生活というのはもっと悲惨で・・・。庶民は上の方針に必死で付いていかないと生きていかれないという時代でした。庶民の生活は真面目で、本当に苦しかった」。戦前と言えば東京・大阪を中心に、ある程度の中産階級が発達し、雑誌文化やジャズクラブや寄席、映画にそれこそ演劇といった文化も花開いており、向田邦子が『あ・うん』や『父の詫び状』で書いたようなサラリーマン家庭もあった。そう思うと、苦しくて真面目で、というのはこの方が感じた、ある一面でしかないのだろうけど、だからこそ身をもって知る人の、胸を突くような真実の言葉であった。「上の方針に付いていかないと生きていかれない」。つまりは生の主体性が奪われている。自分の人生を自分で決められない、その苦しさ、惨めさ。

 

 実は戦後もそれって、そんなに変わらなかった。ある時期までは。たとえば今回の『金の卵 1970』で、染め職人の竜二が「白衣の天使と戦災孤児の染め職人じゃ、釣り合いとれねぇもんなぁ」という台詞があります。意味はわかる、もちろん。でもふと考えてみると「釣り合いとれない」ってどういうことなんだ? 戦前生まれの三浦実夫さんが書いたこの言葉の重みは、今となってはなかなか理解できない。おそらくは幾多の恋が「釣り合いとれない」の一言で抹殺されてきた。身分とか、分相応といったもの。そこには、ぎりぎりの人生を歩む人たちの命がかかっていた。その時代、「食う」ということはそんなに簡単ではなかったから。飢えて死ぬということはよくあることだったから。だから、力ある人にくっついて、屈従して、何が何でも飯を食わなきゃいけなかった。身分秩序を犯してはならなかった。

 

 1960年から70年というのは、それが大きく変わり始めた時期なのだ。生活が豊かになり、選択肢が増え、屈従しなくても食えるようになる。『金の卵 1970』では竜二は看護学生の風子と結ばれるし、同じく職人の鉄男も女医の夏子と結婚している。その時代、いかにささやかであろうと、身分を越えて好きな人を好きだということが、一つの革命だったのだ。

出演者紹介 その3

主役の友禅作家・北原鉄男を演じるのは菊池豪さん。「鉄男は幸せ者だと思います。素晴らしい妻、いい師匠や相棒、後輩に囲まれて。周囲に恵まれている点では、役者としての自分と重なるところがあります」と語ります。今回、G.com作品には初参加。三浦剛のはったりもあってか(?)、大変緊張していたそうですが、今では程よく心地よい緊張感になったのだそう。
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Q.今回、役作りのために工房で一日修行をしましたが、どうでしたか?

A.筆の持ち方一つとっても、体験しなければわかりませんでしたし、大変勉強になりました。

Q.今回の作品のテーマである職人魂は感じましたか?

A.それが、事前にイメージしていたものとは違いました。師匠は、やわらかい感じの人で・・・。一方で、描かせてもらった絵をじっと見る目は緊張感がありました。職人を演じる上では、メリハリをつけることが大事なのかな、と思いました。

 

菊池さんがどんな職人像を舞台に描いてくれるか、楽しみです。

                (インタビュアー:文芸部 友田)

出演者紹介 その2

看護学生・風子役の末吉慶子さん(21)は桐朋学園芸術短大で演劇を学ぶ学生さん。G.com主宰三浦剛が脚色を務めた「ひめゆりの塔」への出演が縁で、キャスティングされました。
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Q.風子をどう思いますか?

A.自分にない純粋さと若いパワーがあります。

Q.末吉さんも充分若いと思いますが・・・。

A.自分は落ち着いちゃってるし、あまりパワーもないと思います。

Q.・・・。

 

いやいや、末吉さんは若さもパワーも充分。ほろ苦い失恋、強烈なびんたなど、注目場面もたっぷりです。「私はまだ生まれてもいない時代の話ですが、風子の役を通じて、前向きに生きる当時の人たちの姿をお客さんに伝えたいです」
                                             (インタビュアー:文芸部 友田)               

今週の稽古場から・・・その2

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真剣な表情の役者たち・・・が,次の瞬間笑いをこらえ・・・
ハプニングもあり楽しい稽古場
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(7/26太子堂稽古場にて)

今週の稽古場から・・・

劇読み公演・劇団公演がそれぞれ終わり、稽古に岩田安生さん(東京演劇アンサンブル)と関根信一さん(劇団フライングステージ)が加わり,増々盛り上がる稽古場。(7/22稽古場にて)7:22-1.jpg
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休憩中にギター練習中の用松亮さん。本番で熱唱が聴けるかも・・・・
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