2009年6月アーカイブ: 演劇ユニットG.com

ひめゆりの塔

今週末、6/13(土)、14(日)、桐朋学園の小劇場で演劇専攻生たちによる
「ひめゆりの塔」が上演されます。

この作品は、10年前、まだ僕が学生だった頃、卒業公演で上演した演目。

もとの戯曲は、戦後の日本ミュージカルの草分け、菊田一夫によるミュージカル台本。それを、ストレートプレイに書き換えよう、ということで、脚色をすることになった。

今考えると恐ろしい。

二十歳の僕は怖いもの知らず。
御大の台本にずばずば手をいれたものです。

結果、上演時間は3時間40分という大長編に・・・。


思えば、僕の劇作は、あそこからはじまったのかもしれない。

 

今回は、その「ひめゆりの塔」、5年ぶりの再々演になる。

ご興味のある方はどうぞ、足を運んでみてください。


演劇専攻 専攻科試演会

『ひめゆりの塔』

日時:
 6月13日(土)13:00開演、17:30開演
 6月14日(日)12:00開演、16:30開演

原作:菊田一夫
演出:越光照文

脚色:三浦 剛
美術:吉野章弘
照明:森脇清治
音響:富田健治
音楽:松ヶ下宏之
制作:安延洋美

劇場:桐朋学園芸術短期大学小劇場(京王線仙川駅下車徒歩5分)
入場無料・全席自由
※開場は開演の30分前/整理券配布は1時間前です。

「ひめゆりの塔」稽古場ブログ
http://blog.livedoor.jp/himeyuri2009/

問い合わせ 桐朋学園芸術短期大学 演劇研究室 03-3300-3917

「卯花墻」(うのはながき)

岡田でーす。

 

にごってるなあー。慣れないながら文芸部と言う事もあり、何かとブログとやらを書いている次第ですが、なんとなくモワーっとして、しっくりしない感じで。だったら書かなきゃいいんだろうけれど。やっぱりどっかで書きたいと言うか、表現したいというか。本音で言やあ、自慢と言うか、「凄いだろう。」みたいな。そんな意志には負けてるよ、なんて気負ってみたところでねえ。

でも「分かってるんですよ。」 知識ひけらかして、恥ずかしい。人間としてはイヤらしい部類に属する感情で、でも、表現ってそんなもんだろうなんて。悟った振りして、隠しとけばいいんで。「能ある鷹は爪を隠す」けど、でも「爪は有るんだよ。」って分かって貰わなければいけないんだよなあ。

そんな感情って、でも「人間的」かもしれないけど、なんとも早、しっくりこないんですよねえ。困ったことに。

 

「卯花墻」(うのはながき)は、志野焼きのお茶碗です。来年の今頃の公演予定の、川端康成の『千羽鶴』に出てくるのが志野で、小説中は「水指」がメインなんですけれど、なかなか志野の「水指」ってお目にかかれないんで、国宝故に、年一回は公開される「卯花墻」(うのはながき)を見に行きました。と言っても、実は、この公演のお話しは、二年前くらいに遡って湧いた話なので、去年の今頃も、そそくさと、日本橋の三井記念美術館に通ったりした次第です。

はてまた、このお茶碗とは、実はその前にも何回か面識が合った次第なんですけれども、「なんで国宝?」って感じで、いつも見ていたのが、去年に何度も通っているうちに、けれんみが無いと言うか、素直と言うか、若々しいと言うか。それは多分に、名も無い美濃の陶工の、その真っ直ぐな気持ちが、偶然に、安土桃山と言う時代と合致したところに、普遍的に現れた、永遠の表現なんだろうなあ、なんて事を思ったりもしたんですよね。だって、僅か十年で時代から消えてしまった、その技は、多分に恐らく継承可能な技術と言うものとは全く別個のなにかなんでしょうねえ。

 

興味のある方は、以下を見て下さい。

 

http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html

 

 

 

 

 

 

リーディング2回目

 

気がつけば、文芸部日誌が着々と更新されていすねえ。

三浦はといえば、ほぼ一月ぶりの更新です・・・。

 

5/30(土)に仙川ふれあいの家というところで、二回目のリーディングを結構。

なんとか、1幕、2幕ともに第二稿が完成致しました。

戯曲的にはまだまだ問題が山積み。

父、岡田さん、友田さん、三浦ともにもうひとふんばり。

 

現状、上演時間110分でなければならないところ、本読みだけで、135分・・・。

25分オーバー。ページにして10~15ページ。このカットは苦しい。

 

苦しいが・・・。

 

6/20(土)には顔合わせ。

ここまでになんとか上演台本にこぎつかなくては!!

 

尚、今回の「金の卵1970」は、新宿区 及び、 新宿区染色協議会 の後援を頂きました。

ありがとうございます。

後援とはなにか? 「応援してます!」というあついエールを頂くだけ。

でも、それが大事。応援されると頑張る気もでるってもんです。

 

尚、写真は先週の土曜日にいってきた、染色協議会会長、富田さんの工房です。

本当に神田川沿いにあって、とにかく趣がすごい!年輪がすごい!こんなセットにしたい!

ただし、富田染工芸さんは、江戸小紋、江戸更紗の工房。

今回の金の卵、手描き友禅とはまた別なんですが・・・。

しかし、取材をすればするほど、着物染色は深いです。

 

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板場と言われる場所。着物の一反(13m)を折り返しておける6m強の板が並んでます。

これは特に、小紋、更紗の模様を刷る場所なので、手描き友禅の工房にはありません。

 

 

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水場? 選択板のようなものが・・・。なにに使うんでしょうか?

光の入り方が綺麗です。

 

 

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二階へあがる階段。昔は何十人もの職人さんが住み込みでいたそうです。

そんな職人さんたちの下宿だったんでしょうか?

 

 

 

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水元。1960年代頃までは、実際に染めた反物を神田川で洗っていたそうですが、1970年頃には

生活廃水で汚れきっていて室内にプールを設け、そこで洗っていたそうです。

 

 

明治からの創業で富田会長で5代目。

東京大空襲も、関東大震災も生き抜いてきた、東京染物の歴史そのものっていう感じです。

見学もできるそうなので、ご興味ある方は是非!!

富田染工芸 

 

 

 

バーダー・マインホフ

「おお、あの映画が来るのか」。こないだ映画を見に行ったときに、予告編で思わずこぶしを握り締めた。ドイツ映画「バーダー・マインホフ」がやってくる。

http://www.baader-meinhof.jp/

 

昨年秋、ドイツに旅行したとき、ベルリンの映画館で上映中の看板を見かけ、思わず飛び込んだ。一言で言うと、ドイツ版「実録連合赤軍」である。銃撃・爆弾・流血。犠牲者は30人を超えるというドイツの左翼過激派「ドイツ赤軍派」(別名バーダー・マインホフ・グルッペ)の一件を扱っている。

 

70年代に暴れたこのグループ、銀行強盗、企業爆破、要人暗殺やハイジャックにまで手を染め、最後には獄中で幹部が集団自殺しちゃうというアナーキーさ。だからこの映画を真面目に見れば鬱々とするしかないはずなのだが、実際は俳優がそっくりにメイクアップして演じる幹部たちが妙にクールな美男美女ぞろい。それに加え、あまりの暴力の連鎖とスピード感に頭の芯がくらくらして「ひょっとしてすごくかっこいい??」と勘違いしてしまうという危険な映画である。

 

中でも際立った特色は女性の過激さ。このグループは最高幹部3人のうち2人が女性。スキーマスクで顔をすっぽり覆い、ドイツ人特有の分厚い身体の彼女らがマシンガンを構え、「おらおら」と銀行員を脅すところとか、ほんと、格好いい。

 

いや、だからそれでいいのかってのはあるんですけどね。そこらへんも含めてちょっと考えてみたいという人にもお勧め。

ユダヤ警官同盟

この秀逸なタイトルの小説は、アメリカのユダヤ系作家マイケル・シェイボンの作品。最近新潮文庫から翻訳が出た。アメリカでいくつも賞を受け、コーエン兄弟による映画化も予定されている評判の傑作。ただ、日本人が読むには少し背景の知識が必要で、多分そんなに売れないと思う。

 

この作品は基本的にハードボイルド・ミステリだが、設定はSF的なパラレルワールド。そして重い問いと流麗な文章は純文学のクオリティだ。この組み合わせ、実は最新作「1Q84」を含む村上春樹の多くの小説にも共通する。いま世界の文学的な想像力の向かう一つの方向のようだ。

 

「ユダヤ警官同盟」が舞台にしているのは、アラスカの架空のユダヤ人居留地「シトカ特別区」。欧州からの亡命ユダヤ人の受け皿としてアメリカが作ったものだが、2007年の現在、2ヵ月後にアメリカ政府への返還が迫っている。そしてこの世界ではユダヤ人国家としてのイスラエルは成立することなく流産。シトカ特別区廃止後のユダヤ人は行き場のない流浪の民と化することが決まっているという設定だ。この出口なしの状況の中で、ある殺人事件が起こり、心身ともに深い傷を負った中年刑事が解決のために走り回る。そして、特別区返還を巡る様々な勢力の思惑が絡み合う構図が浮かび上がってくる・・・。

 

なんでハードボイルドなのか。おそらくは複雑化した世界に、何者でもない一人の人間が向き合うたった一つの方法だからだ。簡単に踏み潰されてしまうどぶネズミのような小さな人間だからこそ、自らルールを設定し、おのれを賭けて大きなものに対して突っ張ることがドラマとなって立ち上がってくる。だからハードボイルドヒーローは基本的に人生をあきらめた中年男である必要があるのだと思う。そう言えば「1Q84」の主人公・青豆も、(女性だが)人生をあきらめた人物だ。「ユダヤ警官同盟」では、そんなハードボイルドの美学が、寄る辺無きユダヤ人の運命とも重ねあわされている。書いたように、日本人にとっては決して読みやすい作品ではないが、人生をあきらめかけている中年男女に薦めたい。結構来ますよ。

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